大父木地の林道の気温は7度、体が温まるまで少々寒さを感じながらのスタートとなった。
小滝が連続し始め、体が温まった所で入渓。水と外気のギャップがさほど感じられなかった。
赤滝の谷と熊滝の谷の分岐を超えると、段々と明るく晴れて来た。この辺りから急に斜度が増し、浮石と滑る石が多くなる。
しばらく歩くと熊滝(12.3m)が現れた。なんとも気持ちの良い時間だった。これを登るのは少々難しそうだが、高巻きでこの沢もつめて行けそうな気配。今回は右俣へ向かう。
右俣へ向かってすぐに小滝が現れる。
岩の具合を確認しながら、足場を決めるが、どれが浮きそうなのか判断しなければならず、全身水をかぶる。さすがに寒さを感じた。とりあえず上がる事が出来た。
ここは「僕がやりたい」とフリー宣言したガッキーがトップで行く。よく見ると、ホールドがいくつかあるので、沢靴のポテンシャルを発揮できる所だ。
難なくクリアの図。私も後を続き、カチを利用して上がる。
ロープがいるのか?は別として、なんとも楽しい所が連続する。だが浮石が多いので注意は必要だ。
ここでロープを回収し、次に向かった。
ここの釜は水に入らず、右岸から小滝を行く。
後ろの風景はこんな感じ。
ナメ滝もあり、変化にとんだいいルートとしみじみ思う。
足の具合が悪かった彼だったが、調子を取り戻したのか?私にどんどん差をつけて登って行く。
左手に黒い滝が現れる。写真にはないが、右手に沢があるが今回は右俣へ向かう。
もうツルッツルで慎重に足場を決めていく。
すると前方に壁が現れた。ここで判断を誤る事になる。沢沿いから左に舵を取り、草付きを登れば苦労はしなかったが、沢筋に向かった。この後、まさかここまで苦戦するとは思わなかった。
この時点で少し考えたが、写真左手の草付きを上がれば良かった(大きくトラバースしなくても最小限に収まると後から気づく)。登って来た沢沿いの、写真右手のナメ滝の左岸を登ってしまう。
中ほどにテラスがあり、そこをトラバースすれば比較的簡単にルートに戻れると、間違い?に気づかなかった。
テラスに上がった図。こうやって見ると、たいした斜面でもなく簡単にトラバースできそうな雰囲気が漂うが、実際は湧水が多く、苔も、草もあり、中途半端になだらかな、斜面が続く。ルートを誤ると大変な事(八方ふさがり)になりそうだと感じる。ここでトップを交代し、20mの2本のロープをつなぎ、確保しながら、上下しながらのトラバースになった。
斜めに登りながら、斜面がきつくなると、斜めに下降する。それの繰り返しを何度も繰り返す。スラブの岩は濡れ、乾いた岩を見極め少しづつ距離を稼ぐ。
所々にある草木に支点を作り、短いロープに苦戦しつつ、尾根沿いの藪をかき分け、目指すルート復帰に苦労した。だが、この緊張感がクライミングをやっている時と同じように、慎重にゆっくりと行えた。
難所を乗り越えて一安心の図。
沢沿いにルートが取れたので、後はいつ出てくるかわからない藪を想像しつつ、高度を上げて行く。
沢が消えた所で、右岸の尾根に付く。比較的軽めの藪コキ開始となる。この頃から雲行きが怪しくなりだした。予報では「晴れ~曇り」と言う事なので、雨は想像していなかった。
縦走路に近づくと、藪が激しく大苦戦。やっとの思いで甲ヶ山の鞍部に出た。さすが水曜日?稜線はガスに覆われ景色もないが、二人とも満足の山行と感じた。その後、今にも雨が降りそうな予感なので、先を(船上山)急ぐ事にする。
あれよあれよと言う間にガスに覆われだした。
ナナカマドが多い年は・・・?白鳥の飛来も観測2番目に早いらしいので、今シーズンは雪は期待できるのか??
ガスの切れ目から今回のルートが見えた。
ハイ!雨が降り出しました。さすが雨男の実力発揮。そしてここで考える・・・もし、この雨がスラブのトラバース中に降っていたら・・・と考えるとなんと運が良かったのか!とポジティブに考える二人だった。
大粒の雨。
沢靴のままなのもあり、何度もズッコケながら、長い長いルートを下る。
本日も安全に無事に、下山出来た事をお礼参りする。
船上山小屋で食事をとり、16:17駐車場に到着した。今回の印象は、滝よりもスラブに苦戦した。赤滝の谷は10m~7mの滝に苦戦を強いられたが、今回はやっぱり横に巨大なスラブが一番印象に残った。
※今回の矢筈源流はバリエーションルートと思われますので、最善の準備を行って、自己責任で。
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