石鎚山にほど近い、西ノ冠岳の麓にある高瀑渓。稜線の上がる前には約130mの「高瀑の滝」がある。そこをどこまで登れるかわからないまま、しかも不安が隠しきれないが、とりあえず行く事にした。今回は久しぶりに、I崎さんと一緒なので「何とかなるさ」的に向かう。
歩き始めた林道は、毎回雨による崩落が激しいらしく、今回も登山口よりも数キロ下に車を駐車してスタートする。一部、四駆の軽自動車がギリギリ通れそうな場所があり、その手前から歩き始めた。
それにしてもダラダラと長い道のりだった。また後から聞いたが、地元の山岳会らしき方達は、ショートカットして登ってこられた。
林道には所々ツララが至る所に出来ている。はやる気持ちが抑えきれない。
出発して55分、しばらくすると岩をくりぬいたトンネルが出て来た。まさに風穴で冷たい風が通り抜けていた。
駐車場より1時間40分、登山口に到着。避難小屋?休憩所?もトイレもあり、ここまで車で来れたらと思うばかり。I崎さんの友人が昨日からどこかの谷に入っておられるようだが、本日の先頭は犬を連れた常連さんだった。
しばらく歩くと、アイゼンを付けなければならず、登山道もかなりタイトな所をトラバースするような所が出てくる。なかなか楽しいルートだった。でも早く滝が拝みたく、はやる気持ちに変わりなく、印象にはあまり残っていない。
落ちれば、ならくの底?そんな箇所もいくつかある。
ここのルンゼ?スリット?(梯子がある)は結構な急斜面だったが、途中に右に折れるので一安心。
あと一息、この斜面が一番気持ち悪かった。下は高さもあり、落ちれば止まらないだろう。しかも足元の雪は緩く、ズルズルいきそうな感じであった。
最後の急斜面。ここを登れば高瀑の滝が見えるらしい。
スタートして約3時間20分でついに高瀑の滝が姿を現した。ガスで分り難いがこの写真の下に人が写っている。それと比べてもらえればわかるが、恐ろしくデカイ氷瀑だ。これを登った人も何人もおられるようだが、今の自分には無理だとすぐに思った。
しばらく圧倒されたが、下部の氷の部分まで行き、状況をみる。下段の氷でトップロープで遊ぶのも良いし、もしくはその上までとI崎さんが言っていたが、その上は無理無理(笑)。すると地元の山岳会の方達がトップロープで下段で遊ぶと、ロープを設置し始めたので、私たちはここを諦め、歩いて約15分下にある滝があったので、そこでやる事にする。
そして新雪をかき分けて、おそらく10mもない?小滝に出る。するとどうだろう、大きく口を開けた滝つぼが・・・これには想定外。この写真であるように左側に雪の塊が見える。あそこからビレイして登る計画を立てた。荷物を降ろして、スコップで雪をかき分けて、進むと・・・ドボン!薄氷を左足が貫通してしまう。膝まで浸かったが、ゲーターのお陰で浸水は免れた。しかも氷の裏側は水の音がする。氷の状態は良いように思えるらしいが、下手すると滝つぼへ吸い込まれ、濡れたまま3時間の登山道を歩かなければならい、さてリスクを負うべきか・・・。二人で悩んだ結果、諦める事にした。I崎さんは最後まで悔しがっておられたが、リードのリスクを考えると、今回は下見と言う事で折り合いをつける事になった。スクリューの打ち方や、氷に45度の穴を開け支点の作り方、バイルでビレイのやり方などをレクチャーしてもらい、それなりに収穫もあった。
今回は諦めて後にする図。なんだかアイスにはまりそうな予感。
※ 最後におまけが付く。
下山途中、林道に出てから、ダラダラとした道をいつものように会話しながら歩いていると、ガッチガッチの氷に足を取られ、膝を強打してしまい。翌日は曲げられない程に・・・気を抜いた結果がこれだ。年も年だし、下山するまで気を抜いてしまうと案の定怪我に繋がるなと、教訓になった(笑)
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