剣岳 八ツ峰Ⅵ峰Dフェース・チンネ左稜線(3日目・4日目)





8月11日(山の日)

「チンネ左稜線登攀日」

05:20 テント場を出発する。長次郎谷(右俣)の雪渓は表面とも硬く、昨日の雨が凍ってるようだ。トップはI垣氏、6本爪で頑張る。




上部には大きなクレバスが出来ているが渡れないほどではなく助かる。やはり通年より雪の多さが感じられるようだ。




池ノ谷乗り越しに到着。ここでアイゼンを外し、ピッケルをデポする(後、後悔する事になる・笑)。




さぁ恐怖の池ノ谷ガーリーを下る。雪崩式にガラガラと崩れだす岩々を慎重に下る。特に大き目の岩には要注意で、周りに気を使いながら進む。




八ツ峰の頭付近だったと思うが、帰りはこの辺りに懸垂下降で降り立つ所。しかしとにかく一歩一歩が疲れる。




06:24 三の窓に到着する。




するとテントを発見。3人と言う事は、どこかを登攀されるのだろうか。




本来なら右手にジャンダルムが拝めるはずだが、ご覧の様。しかしI垣氏、これをピッケルなしでトラバース出来るのか!?私は10本爪だが、ピッケルをデポした事を後悔しているのに・・・もし落ちれば数百メートルの滑落。まぁ考えてても仕方がないと出発する。




ビビりながら、3人共なんとか逆4の字付近に到着。




07:29 少々取り付きを間違えたが、すぐに凹角へ取り付く。さぁ登攀スタート!




割と始まってみると快適に登れる。だが昨日同様、支点があれなので、絶対に落ちれないプレッシャーはある。




広いテラスは安心感が半端ない。




後ろを振り返る・・・。




すると同じく、三の窓雪渓(氷河)が見えた。(下ってるのか上がってるのかわからない写真ですね)




前を向くとガスでさっぱり・・・。




I垣氏、順調にロープを伸ばす。相変わらず浮石もあるので、私は慎重に。




いよいよピナクルが連続する場所に来た。もうすぐ核心が現れると思った。




両サイドはスパッと切れ味抜群。




遂に現れた・・・I垣氏、Y田さんには大丈夫だ!と言われるがさすがに緊張する。あの核心(鼻)

Ⅴ級をどうクリアするか自分なりに考えた。




トップのI垣氏、核心を軽く突破。(ガスで見えにくい)




続いてY田さんも危なげなく突破。私も近くのハーケンに保険のスリングを掛けて突破。おおお~緊張したぁ・・・。




後は、リッジを超えれば完了。きっと晴れていれば最高の景色だっただろう・・・。




なんとも案外あっさりと終わりに近づいた。




11:43(約4時間と10分)最終ピッチ。疲れを感じたが、なんとも言えない達成感だった。本当にI垣氏、Y田さんに感謝であった。





チンネの頭付近から合計3度の懸垂下降で、池ノ谷ガーリーへ降り立つ。




2度目の懸垂下降、ここから足場が悪く、落石しないように降りる。




3度目の懸垂下降、ここはほんと悪かった・・・とにかくロープが引っかかれば即、落石に繋がるようで、慎重に降り立つ。




乗り越しを通過し、なんとか長次郎谷に帰る事が出来た。この景色を忘れまいと何度も何度も顔を上げて周りを見渡すのであった。




14:00 そしてテントを撤収して、剣沢キャンプ場まで、また地獄の歩きが始まった・・・。




何かあったのか?ヘリが物凄い近距離で近づいて、沢伝いでホバーリングして何かを確認しているようだった。




雨の中、ヘトヘトになりながら、やっとキャンプ場へ到着。途中、カッパを着るタイミングをミスして、沢伝いの冷風で完全に体温を奪われる場面があった。やはり夏とは言え、雨と風は気を付けなければ・・・。そして、テントの中で着替えを済ませ早々に就寝した。




8月12日(土曜日)4日目

最終日は室堂まで長い長い歩きの日、登攀よりキツイ歩きの日・・・06:30 スタート。

下りは雷鳥沢一直線で下るルート。




終始雨にやられる・・・。




とにかく湿度が高く、早く温泉に入りたいばかり考えていた・・・。




09:30 室堂到着。今回のすべての山行を終えた。





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